さくらインターネットの株価が2023年末から2024年3月初旬までに約5倍に高騰しましたが、その後に約1週間で約半分にまで下落しました。この急騰と暴落には、複数の要因が絡んでいます。
今回の記事では、この急騰と暴落の原因を探ってみます。
さくらインターネットとは
さくらインターネット株式会社は、ホスティングサーバーを中心とするデータセンター事業およびインターネットサービス事業を行っています。
日本のインターネット黎明期から事業を開始し、国内最大手の一つとして知られています。
サービスは個人から法人、官公庁まで幅広く利用されており、高品質かつコストパフォーマンスに優れたサービス提供を経営理念の一つとして掲げています。
株価高騰の要因
業績の大幅改善
さくらインターネットの業績は、売上高と経常利益の両面で改善を見せています。2019年3月期の売上高は約19,501百万円でしたが、2023年3月期には約20,622百万円へと増加しました。
同期間の経常利益も395百万円から965百万円へと大幅に伸びています。この成長は、クラウドビジネスへの集中や教育、地方創生、デジタル化、スタートアップ支援などの取り組みによるものです。
AI開発向けスーパーコンピューターの整備
さくらインターネットは、AI開発のための高性能GPU基盤を整備し、2024年1月からサービス提供を開始します。
約135億円を投資し、米エヌビディアの「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を2000基以上導入。
この基盤は、生成AI研究開発に最適で、国内で唯一の最先端クラウドとなります。経済産業省からの補助を受け、国内計算能力を3倍に増強することで、AI開発を加速させる計画です。
2025年以降に数十億円の売上増加が見込まれます。
暴落の要因
第3四半期の業績悪化
前年同期比で経常利益が48.1%減少し、売上営業利益率が5.1%から3.7%に悪化しました。この結果、通期計画の進捗率も24.5%にとどまり、5年平均の66.1%を下回る形となりました。
また、クラウドサービスの機能開発強化や販売促進に向けた人材採用・マーケティング強化などの積極的な投資が行われたものの、経常利益の減少につながったと報告されています。これらの要因が組み合わさり、業績の悪化に影響を与えたと考えられます。
市場の懸念
政府クラウドの提供事業者としての選定が売上伸長にどれだけ結びつくかは未知数であり、外資系事業者が市場をリードしている中でのシェア拡大は困難との見方がありました。
投機筋の影響
株価をブーストさせた後、高値で売り抜けようとした投機筋の存在が指摘されています。
まとめ
さくらインターネットの株価の急騰には、業績の大幅改善、AI開発向けスーパーコンピューターの整備、政府クラウドの提供事業者への選定、そして米エヌビディアとの提携などがあります。2024年3月には急落しましたが今後はどのような株価の動きになるでしょうか。
今後もさくらインターネットの株価の動きに注目していきましょう。
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