ドルコスト平均法とは、定期的に一定金額分の株や投資信託などを購入していく投資法です。株価が高いときは少なく、安いときは多く買えるので、平均購入単価を下げて利益を増やすことができます。しかし、この方法にはメリットだけでなくデメリットもあります。ドルコスト平均法は本当に意味があるのでしょうか?
ドルコスト平均法のメリット
高値掴みを回避できる
高値掴みを回避できるというのは、一括投資の場合、株価が高値圏にあるときに投資してしまうと、その後の下落で大きな損失を被る可能性があります。しかし、ドルコスト平均法では、高値のときは少なく買うので、そのリスクを軽減できます。
いつでもスタートできる
いつでもスタートできるというのは、一括投資の場合、株価が安いタイミングで投資する必要がありますが、それを見極めるのは難しいです。ドルコスト平均法では、タイミングを気にせずに投資を始められるので、気軽に投資を始められます。
相場や感情に左右されない
相場や感情に左右されないというのは、一括投資の場合、株価の変動によって不安や欲が生じることがありますが、ドルコスト平均法では、機械的に投資を続けるので、そのような感情に振り回されることがありません。
ドルコスト平均法のデメリット
長期投資が前提になる
長期投資が前提になるというのは、ドルコスト平均法は時間をかけて平均購入単価を下げていく方法なので、短期間で利益を出すことは難しいです。株価が上昇傾向にある場合、一括投資のほうが利益が大きくなる可能性があります。
株価の動き方次第では損をする
株価の動き方次第では損をするというのは、ドルコスト平均法は株価が下がるときに多く買うので、株価が下がり続けると損失が膨らみます。また、株価が上下に激しく動く場合、平均購入単価があまり下がらないこともあります。
年初一括と積み立て投資の比較
実際に年初一括で投資した場合と毎月2万円づつ投資した場合にはどのくらい差が出るのでしょうか。
今回のシミュレーションではS&P500に2014年にS&P500に年初一括で100万円投資したパターンと毎月2万円づつ投資したパターンで比較を行います。
年 | 年初一括の資産額 | 積み立ての資産額 | 運用利回り |
2014年 | 1,113,900 | 267,336 | 11.39% |
2015年 | 1,106,600 | 476,296 | -0.73% |
2016年 | 1,202,000 | 788,335 | 9.54% |
2017年 | 1,396,200 | 1,028,335 | 19.42% |
2018年 | 1,458,600 | 1,103,196 | 6.24% |
2019年 | 1,747,400 | 1,391,996 | 28.88% |
2020年 | 1,910,000 | 1,554,596 | 16.26% |
2021年 | 2,178,900 | 1,823,496 | 26.89% |
2022年 | 1,984,900 | 1,629,496 | -19.40% |
2023年 | 2,226,700 | 1,871,296 | 24.18% |
この表は、S&P500の過去10年間のチャートをもとに、年初の終値で投資した場合を仮定しています。また、毎月投資の場合は、毎月の平均値で投資した場合を仮定しています。なお、為替レートの変動は考慮していません。
この表から分かることは、一括投資の方が毎月投資よりも利益が大きいということです。これは、S&P500が右肩上がりの上昇を続けているため、早く投資することが有利だからです。一括投資の場合、10年間で約2.2倍になりましたが、毎月投資の場合は約1.8倍になりました。一括投資の方が約350,000円多く利益が出ています。
ただし、一括投資の方がリスクも高いということも忘れてはいけません。一括投資の場合、投資時期によっては大きな損失を被る可能性があります。例えば、2020年3月に一括投資した場合、その後の暴落で約35%もの損失を被りました。一方、毎月投資の場合、投資時期の分散によってリスクを抑えることができます。毎月投資の場合、2020年3月の暴落でも約15%の損失にとどまりました。
まとめ
ドルコスト平均法は、長期的にコツコツと資産形成をしたい人におすすめの投資法です。しかし、短期的に利益を出したい人や、株価の変動に敏感な人には向いていません。
ドルコスト平均法は、意味がないというわけではありませんが、自分の投資目的やスタイルに合っているかどうかを確認することが大切です。ドルコスト平均法を実践する場合は、適切な商品やサービスを選び、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
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