2024年3月4日、日経平均株価は取引時間中に初めて4万円の大台を突破し、終値は4万109円となりました。この日の上昇率は0.50%でしたが、前週末の終値からは198円も高くなりました。この記事では、日経平均株価が4万円を超えた背景と、今後の展望について解説します。
日経平均株価が4万円を超えた背景
日経平均株価が4万円を超えた背景には、以下の3つの要因が考えられます。
米国株の強さ
米国のハイテク株が好調で、ナスダック総合指数が過去最高値を更新しました。
これに伴って、日本の半導体関連株やIT関連株も上昇しました。特に、生成AIの将来需要に対する期待が高まり、東京エレクトロンやアドバンテストなどの銘柄が高騰しました。
企業業績の好調さ
日本の企業の2024年3月期の純利益は、3期連続で過去最高を更新する見通しです。
特に、自動車や電機などの輸出関連企業が、海外の景気回復や円安の恩恵を受けています。また、日本企業のガバナンス改革が進み、資本効率の改善に取り組む企業が増えています。これらの改革は、外国人投資家からの日本株への信頼を高めています。
新NISAの効果
2024年1月からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は、投資を促進し、個人の資産形成を支援することを目的とした制度です。
特に若年層や投資初心者に対して、株式投資への参入障壁を低減しています。この制度により、非課税での投資が可能になり、特に中長期的な視点での資産運用が促進されています。新NISAの導入は、国内の投資マネーの流入を促し、日経平均株価の上昇に寄与しています。
日経平均株価の今後の展望
日経平均株価が4万円を超えたことは、日本経済にとって明るい兆しとなりますが、一方で、株価の上昇の速さや、実感との乖離を懸念する声もあります。今後の株価の動向に影響を与える要素として、以下の2つが注目されます。
物価と金融政策の動向
日本経済は、デフレからの脱却に向けて期待が高まっています。特に、今春闘での高水準の賃上げが打ち出されたことにより、物価と賃金がそろって上がる好循環が現実味を帯びてきました。
しかし、物価上昇率は既に低下傾向が明確になっており、株価上昇の一因となっていた物価高の効果が薄れる可能性があります。
また、日本銀行は、3月あるいは4月にマイナス金利政策の解除に踏み切る可能性があります。これにより、金融緩和の効果も弱まり、株価に逆風となる可能性があります。
為替の動向
為替市場では、ドル円レートの行方が株価に大きく影響します。ドル円レートは2月に1ドル151円手前まで円安が進んだ後に、膠着状態に陥っています。
この水準は、2022年、2023年に2回、円安のピークとなった水準です。今後、この水準を抜けて円安が進めば、円安に弾みが付き、それは日本株をさらに押し上げる可能性があります。
他方で、1ドル152円に届かないケースが3回目となる場合には、この水準が強い抵抗ラインとなり、円高方向への動きが強まる可能性があります。
その場合には、日本株の調整のきっかけになる可能性があります。
まとめ
日経平均株価の4万円超えは、日本株の魅力を再認識させる機会となりましたが、一方で、実体経済から乖離した形での株高を支える「物価高」、「金融緩和」、「円安」の循環が逆回転を始めれば、株式市場には一転して逆風となる可能性もあります。この先の動向に注目が集まります。
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